イタセンパラ 「わんど」で淀川のシンボル復活へ
イタセンパラ 「わんど」で淀川のシンボル復活へ
日本固有の淡水魚で国の天然記念物に指定されているイタセンパラ。数少ない生息地とされた大阪・淀川では5年前から野生の個体が確認されなくなり、絶滅の危機に瀕(ひん)している。流域の環境悪化や外来魚の急増などが原因とされる。「淀川のシンボルフィッシュ」といわれた希少種の復活に向け、官民一体となった活動が求められている。(清宮真一)
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大阪市旭区の住宅街にほど近い淀川河川敷に、樹木や水草で囲われた天然の「わんど」と呼ばれる池状のたまりがある。「城北(しろきた)わんど」。平日の昼下がりに、ゴム製の胴付き長靴姿の作業員10人が約30メートルの地引き網を引き上げていた。
「お、入ってる」
「(ブルー)ギル、上がったで」
作業員は平成21年末から城北わんどで、ブラックバスやブルーギルといった外来魚の駆除のほか、在来種の生息状況を期限つきで調査。この日はブルーギル約30匹などが網にかかった。
作業員のチームを束ねる府水生生物センター(寝屋川市)の主任研究員、上原一彦さん(41)は「外来魚はイタセンパラやその仲間の稚魚を食べる。このまま放置はできない」と危機感を募らせる。
環境省などによると、イタセンパラはコイ科に属するタナゴの一種。寿命は1~2年で淀川などの限られた水系でしか確認されていない。淡水魚で絶滅の危険性が最も高いとされる。
城北わんどは「淡水魚の聖地」とされ、かつては在来種が生息できる好条件がそろっていた。淀川の本流沿いに土砂がたまってできた水深約1メートルのわんどは流れも緩やか。適度な満ち引きもあり、砂地にはイタセンパラの仔魚(しぎょ)のゆりかごとなる二枚貝が豊富だった。
仔魚から成長した稚魚は平成13年には淀川流域で8千匹近くまで増えたが、その後激減し、18年にはとうとう野生の状態では確認されなくなってしまった。
その要因の一つが淀川大堰の建設だ。人為的な管理で水位がほとんど変動せず、水面を覆うほど水草が繁殖してプランクトンが減少。こうした環境を好む外来魚が急増し、冬には枯れた水草が川底に堆積、本来の砂地が失われていった。
イタセンパラは「板鮮腹」と書くように、秋の繁殖期に雄は薄い赤紫色に染まる。雌はイシガイなど二枚貝に産卵管を伸ばし、卵は貝の体内で受精。約1週間で孵(ふ)化(か)し、仔魚は貝の中で越冬するという。
「この種は水温が低い時期を半年ほど経験しないと成長しない。まさに日本の気候変化に適応して進化したのです」と上原さん。
センターでは昭和46年に淀川のイタセンパラ150匹を持ち帰り、数千匹規模で飼育を続けている。平成21年秋には初めて500匹を放流し、昨春に133匹の稚魚を確認した。さらに精子を凍結保存し、二枚貝の代わりにシャーレで人工授精した後、毎日の変化をチェックしている。
復活に向け課題もある。「淀川水系イタセンパラ研究会」(大阪市)の小川力也会長(48)は「イタセンパラは淀川のシンボル。復活には外来魚の駆除など、息の長い地道な活動が不可欠。自分たちの財産は自分たちで守るという意識で取り組む必要がある」と話している。
産経新聞 3月5日(土)15時40分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110305-00000130-san-soci
地道な活動が大切ですね☆
日本固有の淡水魚で国の天然記念物に指定されているイタセンパラ。数少ない生息地とされた大阪・淀川では5年前から野生の個体が確認されなくなり、絶滅の危機に瀕(ひん)している。流域の環境悪化や外来魚の急増などが原因とされる。「淀川のシンボルフィッシュ」といわれた希少種の復活に向け、官民一体となった活動が求められている。(清宮真一)
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「お、入ってる」
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作業員は平成21年末から城北わんどで、ブラックバスやブルーギルといった外来魚の駆除のほか、在来種の生息状況を期限つきで調査。この日はブルーギル約30匹などが網にかかった。
作業員のチームを束ねる府水生生物センター(寝屋川市)の主任研究員、上原一彦さん(41)は「外来魚はイタセンパラやその仲間の稚魚を食べる。このまま放置はできない」と危機感を募らせる。
環境省などによると、イタセンパラはコイ科に属するタナゴの一種。寿命は1~2年で淀川などの限られた水系でしか確認されていない。淡水魚で絶滅の危険性が最も高いとされる。
城北わんどは「淡水魚の聖地」とされ、かつては在来種が生息できる好条件がそろっていた。淀川の本流沿いに土砂がたまってできた水深約1メートルのわんどは流れも緩やか。適度な満ち引きもあり、砂地にはイタセンパラの仔魚(しぎょ)のゆりかごとなる二枚貝が豊富だった。
仔魚から成長した稚魚は平成13年には淀川流域で8千匹近くまで増えたが、その後激減し、18年にはとうとう野生の状態では確認されなくなってしまった。
その要因の一つが淀川大堰の建設だ。人為的な管理で水位がほとんど変動せず、水面を覆うほど水草が繁殖してプランクトンが減少。こうした環境を好む外来魚が急増し、冬には枯れた水草が川底に堆積、本来の砂地が失われていった。
イタセンパラは「板鮮腹」と書くように、秋の繁殖期に雄は薄い赤紫色に染まる。雌はイシガイなど二枚貝に産卵管を伸ばし、卵は貝の体内で受精。約1週間で孵(ふ)化(か)し、仔魚は貝の中で越冬するという。
「この種は水温が低い時期を半年ほど経験しないと成長しない。まさに日本の気候変化に適応して進化したのです」と上原さん。
センターでは昭和46年に淀川のイタセンパラ150匹を持ち帰り、数千匹規模で飼育を続けている。平成21年秋には初めて500匹を放流し、昨春に133匹の稚魚を確認した。さらに精子を凍結保存し、二枚貝の代わりにシャーレで人工授精した後、毎日の変化をチェックしている。
復活に向け課題もある。「淀川水系イタセンパラ研究会」(大阪市)の小川力也会長(48)は「イタセンパラは淀川のシンボル。復活には外来魚の駆除など、息の長い地道な活動が不可欠。自分たちの財産は自分たちで守るという意識で取り組む必要がある」と話している。
産経新聞 3月5日(土)15時40分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110305-00000130-san-soci
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